2024年4月1日 校名を変更しました(旧校名:呉竹鍼灸柔整専門学校)
今回も「五柱灸」がテーマです。
前回のあらすじ
「40代の女性。時々、頭痛があるが痛みは強くない。軟便になり易い・・・。」
腹部に(中脘穴から上方にかけて)圧痛がある。
この時に「五柱灸」で対応しました。
「五柱灸」の主治は、「気管支喘息、胃部・腹部の疾患」となっています。
経穴は、巨闕・中脘・下脘・左右梁門の5穴、灸は各3壮ずつ施灸しました。
個々の経穴については、ざっと以下の通り。
巨闕:心の募穴
中脘:胃の募穴、腑会、「手太陽、少陽、足陽明の生ずるところ、任脈の気発するところなり。」(任脈と足の陽明経は中脘で交会する)
下脘:「足太陰、任脈の会なり。」(任脈と足の太陰経は下脘で交会する)
梁門:「中脘を助けて胃の諸病に効く。」(胃経の経穴)
この情報から、胃腸の不調に対応できることは理解できます。
もう一つの主治、気管支喘息については、腹部、胃経の取穴に工夫が必要かもしれません。
この「五柱灸」を選択したのは、腹部を触ったことから始まりました。
腹部の状態からヒントが得られたわけです。
学生の皆様、募穴・八会穴・十二経の循環は確認しておきましょう。
※睡眠・栄養・軽い運動・感染予防で乗り切りましょう!
【参考】
①針灸経穴辞典:東洋学術出版社
②針灸奇穴辞典:風林書房
③新版 経絡経穴概論 第2版:教科書執筆委員会 著:医道の日本社
④鍼灸治療基礎学:代田文誌 著:医道の日本社